近年注目を集めるメタバースとWeb3.0ですが、多くの企業が参入を発表するなどメディアやニュースで毎日のように目にするほどの盛り上がりを見せています。一方で、「なんとなくは知っているけど、両者の違いや関係性までは分からない」という方も多いかと思います。そのため、この記事では、メタバースとWeb3.0の関係性を事例とともにわかりやすく解説します。
・Web3.0とメタバースとはなんなのか
・Web3.0とメタバースはどのような関係があるのか
・Web3.0とメタバース組み合わせた場合の活用方法と、活用事例について
Web3.0とメタバースとは
Web3.0とは
Web3.0(ウェブスリー)というのは、ブロックチェーンの技術を軸にして構築されている新時代のインターネット環境を意味する概念です。これまでのインターネットは「Web1.0」と「Web2.0」の時代に分けることができます。「Web1.0」「Web2.0」の概要をおさえつつ「Web3.0」とはどういうものなのか解説していきます。
「Web1.0」は別名「一方向性の時代」とも呼ばれており、この言葉からも分かるようにインターネットがまだ一方通行であった時代の環境を意味する概念です。この時代は、その後も長きにわたって利用され続けることになる様々な検索エンジンが世に出始めた頃で、発信者から受信者に対して情報が一方通行で流れていました。当時はWeb1.0という呼び方は存在しなかったのですが、1999年に海外のウェブデザイナーによって、インターネットの進化の段階を表すために用いられたのがきっかけで世の中で広まったと言われています。なお、Web1.0時代のウェブサイトは、HTMLで構成されており、通信速度が遅かったこともあってテキストが主体でした。
「Web2.0」は「双方向型の発信形態」が主流となりました。1990年代がWeb1.0の時代だとすると、2000年代はWeb2.0の時代と呼ばれています。この時代には数多くのSNSが登場しており、これまでの一方通行型の情報の発信形態から様々な人々が互いに情報をやり取りすることが可能となりました。また、それと同時に、GAFAと呼ばれる巨大なテック企業がグローバルに成長を遂げ、大量の個人情報などが一部の大企業によって管理されるようにもなっていったのです。当時のウェブシステムでは、中央集権型の情報管理が行われていたため、サイバー攻撃を受けやすく、実際にそれによって引き起こされた情報漏洩が社会的に問題にもなりました。
「Web3.0」はこのようにWeb2.0時代の一部の巨大企業への情報集中を解消すべく2010年代に入って新たに普及し始めました。Web3.0と呼ばれる「分散型のインターネット環境」です。そのような環境を可能にしたのが、多数の参加者に同一のデータを分散して保持させる仕組みであるブロックチェーンの技術です。これによって情報の集中を避けることで、より安全なインターネット環境の実現が期待されています。
メタバースとは
メタバースとは、ギリシャ語で“超越した”という意味を持つ「メタ(meta)」と“世界”を意味する「バース(verse)」を組み合わせて作られた言葉です。メタバースは、仮想空間やそこでコミュニケーションすることができるサービス・プロダクト全般を指すものです。このメタバースでは、現実世界にいる人々が、自分の分身であるアバターを使ってバーチャルオフィスを運営したり、他人のアバターと様々なコミュニケーションやゲームなどを行えるようになっています。近年人気を集めている「あつまれ どうぶつの森」や「フォートナイト」のような、自身でキャラクターを作成し、仮想空間上で自由に操作できるゲームもメタバースの活用事例です。
Web3.0とメタバースの関係性
Web3.0とメタバースの関係性を一言で表すと、両者は別物であるものの、組み合わせることで大きく発展する可能性のある概念・技術です。前述した通り、Web3.0とは、ブロックチェーン技術をベースとする、非中央集権的な技術・サービスの総称を指します。一方で、メタバースとはアバターの姿で他ユーザーとコミュニケーションや経済活動を行うことのできる3次元の仮想空間のことを指します。
例えば、メタバースでは、世界中の人々が参加するため、経済活動を行う上で共通の通貨が必要となります。この共通の通貨として、Web3.0の代表的なサービスである仮想通貨が利用される可能性が考えられます。
このようなWeb3.0とメタバースを組み合わせた活用方法を詳しく紹介します。
メタバースとWeb3.0を組み合わせた活用方法
メタバースとWeb3.0を組み合わせた活用方法として以下の2つをご紹介します。
・メタバース上のデジタルアセットの所有・取引にNFTを活用
・NFT保有者やDAO参加者のコミュニティ形成の場としてメタバースを活用
メタバース上のデジタルアセットの所有・取引にNFTを活用
1つ目の活用法は、メタバース上のデジタルアセットの所有・取引にNFTを活用するものです。メタバース上で売買されるデジタルアセットの代表的な例として、アバターやアバター用のデジタルファッションアイテムなどが挙げられます。それらを従来のようにNFTを用いずに管理・売買を行うと簡単に複製が行えてしまうため、デジタルデータ自体に価値がつきづらく、制作者のインセンティブも生まれづらいという課題がありました。
そこで、それらのデータをNFTとして管理・売買することで、そのデータが世界で唯一であることを証明でき、複製することが難しくなるため、価値を持つようになり、経済活動が加速すると考えられています。
NFT保有者やDAO参加者のコミュニティ形成の場としてメタバースを活用
2つ目の活用法は、NFT保有者やDAO参加者のコミュニティ形成の場としてのメタバースの活用です。特定のNFT保有者のみがアクセスできるメタバース空間を構築することで、メタバースへのアクセス権を管理することができ、NFT保有者やDAO参加者のみが交流するメタバース空間を構築することができます。
既に多くのハイブランドがこの活用法を実践しており、自社の発行したNFT保有者限定で、限定イベントやアイテムの先行販売が行われるメタバースの運営を通じて、ファンのエンゲージメントを高める取り組みを進めています。
メタバース×Web3.0の活用事例
メタバースとWeb3.0を組み合わせた活用事例として以下の3つが挙げられます。
・RTFKT:バーチャルスニーカーが販売開始7分で3.2億円を売り上げる
・Axie infinity:ゲーム内で獲得したNFTによって生計を立てることが可能
・手塚プロダクション:手塚治虫初のデジタルアートNFT作品
RTFKT:バーチャルスニーカーが販売開始7分で3.2億円を売り上げる
(画像:Twitter / RTFKT studios)
RTFKT(アーティファクト)は2020年にロンドンで立ち上げられたブランドで、スニーカーを中心にデジタルアセットのデザイン・NFTの販売を行っています。オークションでの多額の販売実績や有名ブランド・アーティストとのコラボなど、メタバース・NFT×デジタルファッションの文脈では圧倒的な存在感を誇っています。RTFKTの販売するNFTの保有者はスニーカーや洋服をメタバース上で自身のアバターに着用させられたり、ARを活用して自身が実際にスニーカーを履いているような体験ができたりします。
RTFKTがブロックチェーンを通じてバーチャルスニーカーのオークションを行い、7分で310万ドル超(約3億3200万円)を売り上げました。製品は若者向けデジタルアートFEWOCiOUSとのコラボで創作されました。スニーカーの他にもバーチャルアクセサリーが発表されており、スニーカーの価格は1足1500ドル(約16万円)、今後は再販で入手が可能となるが価格は5000ドル(約54万円)となります。
また、RTFKTは2021年末にNIKEに買収されたことをTwitterで発表し、今後NIKEのケイパビリティを活かし、更なる成長を遂げることが期待されています。
Axie infinity:ゲーム内で獲得したNFTによって生計を立てることが可能
(画像:Axie infinity)
Axie Infinity(アクシーインフィニティ)とは、遊びながらお金を稼ぐことができるベトナムでローンチされたNFTゲームです。現在、数多くローンチされているNFTゲームの中でも非常に人気が高く、1日のアクティブユーザー数が280万人を超えるなど、大きな盛り上がりを見せていたゲームとなっています。
ゲーム内でAxie(アクシー)というモンスターを戦わせる対戦型のゲームとなっており、成績によってSLP(Smooth Love Potion)という通貨を獲得することができます。SLPはビットコインなど他の仮想通貨と交換することもできるので、ゲーム内で獲得した通貨がそのまま収入となることを意味しています。
手塚プロダクション:手塚治虫初のデジタルアートNFT作品
(画像:手塚プロダクション)
2021年12月13日(月)12:00より、手塚プロ初の公式NFTプロジェクト「From the Fragments of Tezuka Osamu(手塚治虫のかけらたちより)」シリーズ第1弾「鉄腕アトム」のジェネレーティブアートNFT1000個をそれぞれ0.08ETHで販売、わずか1時間ほどで完売しました。鉄腕アトム以外にも、火の鳥やブラックジャックなど、代表作のNFTも出品されています。また、手塚プロダクションは、本NFTの純売り上げをユニセフと日本の子供のための組織に各10%寄付することとしました。
まとめ
この記事では、メタバースとWeb3.0の関係性を事例とともに解説しました。
記事の最後にもう一度内容を振り返ってみましょう。
・Web3.0(ウェブスリー)というのは、ブロックチェーンの技術を軸にして構築されている「分散型のインターネット環境」
・メタバースは、仮想空間やそこでコミュニケーションすることができるサービス・プロダクト全般を指すもの
・Web3.0とメタバースは、組み合わせることで大きく発展する可能性のある概念・技術
・メタバースとWeb3.0を組み合わせた活用方法は以下の2つを代表として様々な方法が考えられる。
◯メタバース上のデジタルアセットの所有・取引にNFTを活用
◯NFT保有者やDAO参加者のコミュニティ形成の場としてメタバースを活用



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